こんにちは。
今回は、胸式呼吸についてお話をします。
前回は、腹式呼吸がしづらい原因についてお話をしましたね。
同様に、胸式呼吸がしづらくなる場合もあります。
何が原因で、胸式呼吸がしづらくなるのでしょうか?
骨格的には、胸郭拡張(きょうかくかくちょう)という胸郭が拡がった状態が原因となります。
内科的に問題がない場合は、ほとんどの場合骨格の異常が原因となります。
肺には筋肉がありませんので、肺が膨らむためには胸郭や横隔膜のはたらきによって胸腔(きょうくう)を広げる必要があります。
胸郭は約20%ほど膨らむことによって肺に空気が入るようになります。
ところが、胸郭が膨らんだままの状態になると膨らむ量が減少します。
そうなると、肺に入る空気の量も減少してしまいます。
このように、胸郭が拡張した状態になると胸式呼吸がしづらくなってしまうのです。
なぜ、胸郭が拡張した状態になるのでしょうか?
多くは、姿勢によります。
どのような姿勢がよくないのでしょうか?
長い時間、両手を上げる姿勢です。
例えば、あお向けに横になった状態で両手を上げる姿勢を長く続けると、胸郭が拡がったまま戻りが悪くなって拡張した状態になってしまいます。
また、あお向けになったときに両手を上げる姿勢が楽な場合は、すでにある程度胸郭が拡張している可能性があります。
このように長い時間両手を上げる姿勢は、胸郭拡張をまねきますので控えた方がよいでしょう。
では、胸郭拡張の場合はどうすればよいでしょうか?
拡がった胸郭を元に戻す必要があります。
次のような呼吸を試してみてください。
1、両腕を胸の前でクロスさせる。
2、腕を胸につける。
3、右手で左の二の腕をつかみ、左手で右の二の腕をつかむ。
4、痛くない程度に胸をおさえながら、大きく息をすう。
5、クロスした腕で胸を押しながら、肺から空気がなくなるように息をはきだす。
(軽く体を前に倒すと効果的です。)
6、この呼吸を5回繰り返す。
(背中や胸に痛みや違和感がある場合は、中止する。)
この呼吸法は、拡がった胸郭が元に戻る効果がありますので胸郭拡張に効果的です。
試してみてください。
それでも改善しない場合は、骨盤や背骨、肋骨の関節の整復が必要となります。
骨格の専門家にご相談ください。