こんにちは。
今回も、股関節についてお話をします。
股関節の可動域制限は、整復によって大きく改善することが期待できます。
これは、股関節の特徴である1点支持という関節構造によります。
整復によって、関節面の位置が変化しやすいからです。
可動域制限が改善しやすい反面、安易な整復によって損傷をおこす危険が高い関節でもあります。
整復によって、可動域が改善すると、もっと可動域を改善させようと思うあまり、過剰な整復によって関節の損傷を引きおこす危険があります。
股関節痛がおこったり股関節痛が強くなる場合や、歩行が困難になる可能性もあるからです。
もう少し改善させたいという気持ちがおこるのは当然ですが、その気持ちを抑えることが重要になります。
また、骨粗鬆症の患者さんや高齢者の整復は骨折の危険が高くなります。
股関節の整復は行わないほうがよいでしょう。
この場合、仙腸関節の整復と歩行、冷却で症状を改善させていくことがよいと思います。
股関節の整復を行っても、ほとんど可動域に変化のない強い症状の患者さんもいます。
このような患者さんも、無理に股関節の整復で改善しようとせずに、仙腸関節の整復と歩行、冷却で可動域を改善させていくのが安全です。
この場合、施術期間が長期に渡る可能性が高いので、先に告知しておくとよいでしょう。