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    駒込 構造医学 第一肋骨の整復について

    今回も、第一肋骨についてお話をします。

     

    前回お話したように、第一肋骨の転位は強い症状を発生させます。

     

    その為、症状の改善には対応が必要な部位となりますが、細心の注意が必要となる部位でもあります。

     

     

    第一肋骨の転位の確認は比較的容易ですので、診断はとりやすいと思います。

     

    一方、整復については慎重に行う必要のある部位となります。

     

     

    第一肋骨も、他の関節同様に仙腸関節の影響を受ける関節となります。

     

    仙腸関節の整復を行う前と後では、診断が大きく変化することも珍しくありません。

     

    これは、仙腸関節が転位することによって、脊柱が傾くことによります。

     

    脊柱が傾くと、その影響で胸郭がたわみます。

     

    その結果、第一肋骨が転位する為です。

     

    第1肋骨の転位が仙腸関節の整復によって、全く消失する場合も珍しくありません。

     

    完全に第1肋骨の転位が消失した場合は、仙腸関節の整復がうまくいった可能性が高くなります。

     

     

    仙腸関節の整復を行わないで、第1肋骨の整復をすることは厳禁と考えるべきです。

     

    同様に、仙腸関節の整復に自信のない場合も、第1肋骨の整復を控えるべきです。

     

    この場合は、挙上頭軸圧整復法で対応するとよいでしょう。

     

    この整復法は、第1肋骨の他に、頚胸移行部にも有効となります。

     

     

    第1肋骨の転位は、整復によって強い反応が出現する部位です。

     

    その意味からも、経過を観察しながら細心の注意を払い慎重に施術を進める必要があります。

     

    もちろん他の部位も慎重に行う必要がありますが、反応の強さを考えると、第1肋骨は別格と考える必要があります。

     

    私は必ず整復前に強い反応がおこる可能性がある、ということを患者さんに伝えます。

     

    また、強い反応がおこると感じた場合は、第1肋骨の整復を控えるようにしています。

     

    それほど、強い反応がおこる細心の注意が必要になる部位となります。

     

    第一肋骨の転位を確認しても、症状が強くない場合は、そのままの状態で様子をみるという判断が必要となります。