今回は、補助診断についてお話をします。
まず、補助診断の概念についてです。
ここでは、構造医学診断法である脊柱水平器と股関節診断法以外の診断法をさします。
補助診断法は、数十種類にもなります。
どのようなときにどの補助診断を行うかを判断することは、簡単ではありません。
また、複数の補助診断を行うことによって、かえって診断がとれなくなる場合があります。
このことから、補助診断法は最小限にする必要があります。
初期の段階では、構造医学診断法と次の補助診断法を行う事で十分に診断がとれます。
1、長母趾伸筋力テスト(長母趾伸筋反応テスト)
2、ルレット知覚計による、知覚神経テスト
3、ポストコンプレッションテスト
4、SLRTT(Straight leg rising tension test)
5、スパーリングテスト
6、その他、各関節における可動域測定するテスト(肩関節挙上テストなど)
仙腸関節の診断を正確に行う事は、ある程度の経験が必要になります。
1、外傷性か?
2、仙骨に対して寛骨が前上方・後下方のどちらに転位しているか?
まず、この2点を確認することが重要です。
次に、T軸損傷はないか?
(T:Transverse)
の確認をしますが、初期の段階では割愛しても構わないと思います。
施術が進むにあたって、仙腸関節の安定が悪かったり、思ったように症状が改善しない場合に、再度診断をとりなおしてもよいでしょう。
T軸損傷が存在すると、整復後の仙腸関節の安定性が悪くなる傾向があります。
特に、非荷重損傷を整復して大きく改善したにもかかわらず、数分後に再検査した際に元の状態に戻っているような場合は、T軸損傷が存在している可能性があります。
診断力がついてくると、おのずと必要な補助診断法がわかってきます。
初期の段階では、最小限の補助診断法で診断を進めるとよいでしょう。