こんにちは。
今回は、前回に引き続き、慢性痛についてお話をしたいと思います。
原因のわからない慢性痛の中に、骨格のゆがみが原因というものが少なくないというお話を前回しましたね。
では、レントゲンやMRIでもわからない関節の異常はどのようにしてみつけるのでしょうか?
1、関節部の圧痛の確認
2、骨格の形状の確認
3、関節の可動域の確認
基本的にこの3点が重要になります。
まずは痛みの確認が大事です。
特に、圧痛といって関節部分を軽く押したときにおこる痛みは、関節の異常を確認する上で非常に重要になります。
関節に異常がある場合、異常の関節を圧迫すると痛みがおこります。
例えば足の甲の慢性痛の場合、足の甲を丁寧に押していくと痛む部分があります。
この痛みのおこる部分の関節に、異常があるという事なんですね。
足の甲は一つの骨ではなくていくつかの骨がパズルのように、組み合わさっています。
この様々に組み合わさっているパズルの様な骨がずれると、それが慢性痛の原因になってしまうのです。
足の甲は慢性痛になりやすい部分です。
なぜでしょうか?
足の甲は、いくつかの骨が靱帯(じんたい)で強力につながっていて、強い力がかからない限り転位や離開などの異常がおこる事はありません。
その反面、強い力がかかっていったん関節がずれたり離開すると、なかなか正常な状態に戻らない関節なんです。
基本的に、ずれやすい関節は正常な状態に戻りやすく、ずれにくい関節はいったんずれると正常な状態に戻りづらい傾向にあるからなんです。
足の甲の痛みが慢性的になりやすいのは、このような理由があるからですね。
また、関節がずれるといっても、本当に微小なずれなんです。
その為、画像ではなかなか微小な関節の異常が発見できないのです。
このように圧痛の確認はとても有効なんですね。
次に骨格の形状の確認です。
骨格は、基本的に左右対称の形をしています。
ですので、骨格がゆがむと左右が非対称になります。
骨格が左右で非対称になっている場合は、骨格がゆがんでいるという事ですので、ゆがみの原因である関節を特定する事が重要になります。
例えば、左右の肩の高さが違う方はわりといます。
左右の肩の高さが違うのは、骨格がゆがんでいるからなんですね。
骨盤を例にすると、確認する部位は3つあります。
専門的になりますが、次の部位の左右の位置が重要になります。
1、骨盤の前側のでっぱりである上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
2、骨盤の後側のでっぱりである後上腸骨棘(こうじょうちょうこつきょく)
3、骨盤の前側のつながりである恥骨結合(ちこつけつごう)
これらの左右の部位が左右対称であれば、正常です。
骨格がゆがんでいる方は、かなりの確率でこれらの部位が左右非対称になっています。
骨盤は骨格の要ですので、骨盤の形状を確認し整復する事は骨格の矯正には重要になるんですね。
そして、関節の可動域の確認も大事です。
関節の動きが悪くなるという事は、関節に異常がおこっているからなんです。
また、肩関節や股関節、足首の関節などは左右の関節の可動域を確認する必要があります。
動きが悪く可動域制限のある関節は、離開や転位があるので慢性的な痛みの原因となっている場合があるからなんです。
このように丁寧に関節の状態を確認していくと、異常のある関節がわかります。
そして、このような関節の異常を整復すると、痛みが改善・消失していく事が少なくないんですね。
慢性痛の原因が関節の異常という事なんです。
次回は、関節の整復によって、どのような慢性的な痛みが改善・消失していったかを紹介したいと思います。